「AKF」への切換え作業の仕方

Q3:切換え作業は,どのような手順で行うのですか。

「AKF」に切り換えるときには,次のような手順で行います。つまり,

  1. 切換え対象文書の確認
  2. 簿冊のバラシ
  3. 小まとめ(個別フォルダ化)
  4. 中まとめ(第2ガイド化)
  5. 大まとめ(第1ガイド化)
  6. 課としてのまとめ(序列(業務プロセス式水平分類)化)
  7. 課としての序列(業務プロセス式水平分類)の試行と修正

の順です。この作業は,いわば文書分類づくりの実務といえる部分です。

1. 切換え対象文書の確認

1. 文書の年度による区分

  • まず,簿冊のまま,各文書を前々年度以前文書,前年度文書,現年度文書に分けます。1冊の簿冊の中に数年度分の文書があるときは,年度別にバラします。
  • 前々年度以前の文書は,不要なものを廃棄した後,保存期間を決めて書庫に収めます。この際,「『AKF』導入前ファイル基準表」を作ります。なお,同表の記入方法に係る通知文例同基準表の様式例を用意しておきましたので,参考にしてください。
  • 一般に,現年度文書は,とりあえずそのままにしておいて,先に前年度文書を対象にして分類します。前年度分の分類作業が合格と認められたら,前年度分を参考にしながら現年度文書を分類します。導入時期が年度末に近い場合には,現年度文書を対象にして分類します。

2. 文書のサイズがフォルダ化に適さない場合の取扱い

  • どうしてもフォルダ化できない簿冊・図面・カタログ・資料・伝票・カード・コンピュータアウトプット類は,これまで使っていた専用容器・用具を活用します。ただし,背の高い保管庫(3(サブ)×6(ロク)保管庫)は,使いません。
  • これらの文書の収納場所は,はっきりと表示しておきます。むろん,その場所は,所在カード(リンク)に書いて個別フォルダの中に身代わりとして収めます。

2. 簿冊のバラシ

  • 簿冊形式の文書つづりを,1冊ずつバラしていきます。
  • バラした文書を点検して,廃棄すべきものが残っていたら捨てて,残った文書を(3)以下の要領でツミアゲていきます。

3. 小まとめ(個別フォルダ化)

  • バラした文書を,共通性のある文書同士,関係深い文書同士,そして同じ業務に使う文書同士をまとめて小まとめとし,個別フォルダに収めます。
  • フォルダの山に,その中に入れた文書を代表するタイトルを,仮に鉛筆で書きます。
  • その際,1フォルダ内の文書の枚数は,50±30枚とします。80枚を上限とし,これを超える場合には,分冊します。また,20枚を下限とし,20枚未満の場合には,他のフォルダと合冊します。
  • フォルダ化できる簿冊は,すべて残さずバラします。

4. 中まとめ(第2ガイド化)

簿冊をフォルダ化したら,

  • 共通性や関連性のある個別フォルダをまとめて中まとめとし,第2ガイドを立てます。
  • ガイドラベルに仮のタイトルを鉛筆で書きます。
  • 第2ガイドの下の個別フォルダの冊数は,10±5冊とし,5冊から15冊までの範囲内で管理統制します。

5. 大まとめ(第1ガイド化)

  • 共通性や関連性のある第2ガイドを集めて大まとめとし,第1ガイドを立てます。
  • ガイドラベルに,仮のタイトルを鉛筆で書きます。
  • 第1ガイドの下の第2ガイドは,5±3を原則にします。
  • 中まとめの第2ガイドの序列(業務プロセス式水平分類)をよく検討します。
  • 大まとめの第1ガイドの序列(業務プロセス式水平分類)も検討します。
  • 必ずしも,使用頻度順に並べるのではありません。
  • 自分だけ理解できる主観的,個人的な理由ではなく,課の共有文書としてだれにでも共通理解できる,客観性のある理論に裏打ちされた序列(業務プロセス式水平分類)を作ります。

ここまでが,個人作業です。

6. 課としてのまとめ(序列(業務プロセス式水平分類)化)

  • ここからは,保管単位である課の管理下に置かれた文書を,課としてまとめる作業です。その際,ファイル責任者とファイル担当者とがリーダーシップを発揮します。
  • 課として第1ガイドの序列(業務プロセス式水平分類)は客観的になっているか,同じく第1ガイドの下の第2ガイドの序列(業務プロセス式水平分類)はどうかを検討します。なお,第2ガイドの下の個別フォルダの順番は考える必要はありません。
  • この課としての序列(業務プロセス式水平分類)づくりは,よい整理・よい管理を長続きさせるためにも,とても重要です。

7. 課としての序列(業務プロセス式水平分類)の試行と修正

  • でき上がった分類を全員で検討してみます。よい分類かどうかは,使ってみて分かることです。しばらく試行期間をおいて実際に使ってみます。その間,使いやすいようにガイドの序列(業務プロセス式水平分類)を修正したり,分かりやすいタイトルに訂正したりします。修正・訂正しては使ってみて,使ってみては直すのです。この試行錯誤を繰り返し行うことで,徐々に各課の実務に即した分類体系が構築できます。
  • 個別フォルダ名,ガイド名は,鉛筆書きですので簡単に直せます。少しでも検索しやすいタイトルにとりあえず直してみます。少しくらい汚れても構いません,いずれ,上に色ラベルをはってしまうからです。
  • この時点で繰り返し修正を加え,職員の意見を聞いて十分検討しておくことが大切なのです。

「AKF」導入前ファイル基準表の記入方法についての通知文例 「AKF」導入前ファイル基準表(例)

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