改善推進者の育成と確保の仕方

Q4:ファイル責任者やファイル担当者は,どのような人を選んだらよいですか。

1. ファイル責任者の選び方

通常は,これまで文書管理規程などで文書取扱責任者になっていた職員が当たることが多いようですが,必ずしも,それにこだわる必要はありません。むしろ,保管単位内全体の事務に精通し,課内の職員に対して強いリーダーシップを発揮できる人を選んだ方がよいと思います。私たちの経験からいっても,ファイル責任者の取組方次第で,その保管単位のレベルが決まるといっても,過言ではありません。

なお,公文書管理法のガイドラインでは,課の文書管理の責任者を「文書管理者」と呼び,課長を想定しています。自治体の場合,課の責任者に必ずしも職位にこだわって課長を選ぶ必要はないように思います。選定のポイントは,職員に対する強いリーダーシップの存否です。

2. ファイル担当者の選び方

ファイル担当者には,庶務担当係長や職員を充てることが多いようですが,「AKF」に関心を持っていて,導入時に係の先頭に立って作業に取りかかってくれるような若手の職員がよいと思います。ややもすると,新入職員や臨時職員を充てる事例もありますが,必ずしも良い結果につながっていないようです。

ファイル基準表やフォルダラベルの印刷はパソコンを利用して行う場合が多いので,そのような作業に手慣れた職員で「AKF」に早くなじみそうな職員がいれば適任です。

3. ファイル責任者やファイル担当者の選定の時期

一連のシステム導入のための作業に先立って選定しておく必要があります。文書主管課では,導入ブロックの日程が決まったら早めに各課に通知し,人選の依頼をしておきます。人選が終わったら,リストにして全庁に配布します。

なお,導入後のファイル責任者やファイル担当者は,同じ職員が何年も続ける必要はありません。むしろ,意図的に1~2年で交替し全員が経験した方が,課員の「AKF」に対する理解が深まるという利点もあります。

4. ファイル責任者と文書主管課との関係

  1. 「AKF」の導入に当たっては,文書主管課と導入課との間で文書による依頼や調査が行われます。その際,ファイル責任者には,課の窓口になってもらい,課を取りまとめてもらいます。
  2. ファイル責任者やファイル担当者に適任の職員を選任することが,「AKF」の導入をスムーズに進めるコツです。文書主管課でも,ファイル責任者やファイル担当者の役割をあらかじめ説明しておく必要があります。次の選任依頼と役割分担の文例を参考にしてください。

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