「AKF」への切換え作業の仕方

Q1:切換え作業の日程を組むとき,どれぐらいの時間がかかりますか。またその際の注意点は何ですか。

1. 所要時間

専門研修及び一般研修が終わると,第1回実地指導までの数週間の間に,切換え作業を行うことになります。まず,各課ごとに作業スケジュールを作り,その予定表に基づいて切換え作業を実施します。

その際に,少なくとも3時間×3回くらいの日程は,課員全員で作業を行う時間として確保します。特に,時間を要するのは,準備段階の大掃除,不要備品類の撤去・廃棄,保存文書の整理・移動,レイアウトの改善などであり,これは課員全員の協力なくしてできるものではありません。

おそらく,これまで年末に行ってきた庁内一斉大掃除の比ではありません。これまでに経験のない大がかりな課内改造です。表現が適切かどうか分かりませんが,できれば,お祭り騒ぎで一気に進めたいものです。ここでの雰囲気づくりは,非常に大切で,実際に経験した職員に聞きますと,これまでこれほど課員が一丸となって作業をしたことはなかったと言います。そして,こういった作業によって課員全員が取り組む事業なのだと認識するキッカケにもなったと言います。

2. 注意点

スケジュールを組む上での注意点は,次のとおりです。

  1. 研修後,できるだけ早い時期に行った方が,研修の余韻が残っていて協力を得やすいと思います。
  2. 実地指導まで,時間的に余裕があるからと思って,作業日程を後半に予定すると,間に合わなくなってしまうことがあります。
  3. 3時間×3回の所要時間は,課員全員で取り組む最低限度のものであり,実際に導入した自治体の例を見ると,午前とか午後の半日を使って1週間かかったケースや,窓口部門では,課員全員が土曜日と日曜日に出勤して課員総出の作業を進めたケースもありました。
  4. スケジュールを組むときは,後半に予備日を設けるくらいに余裕をみて作ります。それでも,実際にやってみると,何とか実地指導に間に合うという場合が多いのです。
  5. 朝礼の際などに,管理職から全員が協力して行うよう指示してもらうと,職員の協力が得やすいようです。
  6. 課全体でやるべき作業を,ファイル責任者やファイル担当者だけでやってはいけません。課員全員で取り組むことに,意義があるからです。
  7. 課によって対応の仕方は異なりますが,比較的スムーズに作業を進めるのは,イベント慣れしている課,例えば商工観光課などです。ほかの課も切換え作業は,イベントだと思って各職員が役割を分担して,手分けして行うとうまくいきます。

切換えの日程と役割分担(例)

文書主管課 各課(保管単位) コンサルタント
立案・準備段階
  • システムの立案・決定
  • 先進団体への視察
  • 保管単位,対象文書,保存方式,スケジュールの決定
  • 容器・用具の選定・決定
  • システムの立案協力
  • 各種資料提供
  • 視察先の紹介
  • テキストの作成協力
  • 管理職研修の準備・通知
  • 全部課の幹部受講
  • 管理職研修(約2時間)
  • 「AKF」導入の啓もう
  • 書庫の整備促進
  • 不要文書の受入,処分 (廃棄・再生)
  • 書庫の事前整備実施
  • 課内不要文書の廃棄
切換え段階 2日間
  • 会場準備
  • テキスト・配布物の準備
  • 受講者招集,受講促進
  • 対象課の全職員受講
  • ファイル責任者・担当者受講
  • 導入研修実施
    • 一般研修(3時間×2回)
    • 専門研修(6時間×1回)
2・3週間後
  • 各課の切換え作業の促進・協力
  • 事前個別指導・助言
  • 第1回実地指導の立会い
  • 指導事項の記録
  • 引継文書の受入
  • 切換え作業の実施
    執務環境整備,文書つづりのバラし,個別フォルダ作り,仮タイトル書き,ガイド立て
  • 第1回実地指導の受講
  • 指導事項の改善実施
  • 第1回実地指導の実施
    各文書の整理方式の指導,分類方式の指導,ファイル法の指導,切換え作業の促進
2・3週間後
  • 第2回実地指導の立会い
  • 指導事項の記録
  • 第2回実地指導の受講
  • 第2回実地指導の実施
    個別の分類方式の指導,タイトルの指導
2・3週間後
  • 各課の改善作業の促進
  • 事前個別指導・助言
  • 指導事項の改善実施
  • 第3回実地指導の立会い
  • 指導事項の記録
  • 第3回実地指導の受講
  • 第3回実地指導の実施
    序列指導と課分類体系の構築指導
2・3週間後
  • 各課の改善作業の促進
  • 事前個別指導・助言
  • 指導事項の改善実施
  • 第4回実地指導の立会い
  • 指導事項の記録
  • 第4回実地指導の受講
  • 第4回実地指導の実施
    前回指摘事項のフォローアップと全体のまとめ,ラベルの書き方指導,ファイル基準表の書き方指導
2・3週間後
  • 各課の改善作業の促進
  • 事後個別指導・助言
  • 色別ラベルの配布
  • 指導事項の改善実施
  • 課分類体系の確定
  • 色わけ,タイトルの確定と色ラベル仕上げ
  • ファイル基準表の作成
  • ファイル基準表の受領
  • ファイル基準表の提出

※この切換え作業を,ブロックの数だけ繰り返す。

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