「AKF」の実地指導の仕方

Q2:維持管理の実地指導は,年何回くらい行うのですか。

コンサルタントの支援を受けて維持管理をする場合,「AKF」を導入した後,5年間くらいまでは年2回の巡回実地指導,6年目以降10年目くらいまでは年1回の巡回実地指導を行う必要があります。

1. 導入後5年間の指導

導入後の1年目や2年目では,「AKF」におけるルールになじめないため,古い方法で整理している文書はかなりの量にのぼるはずです。また,キャビネット内の業務プロセス式水平分類もまだ粗削りなレベルにとどまっているはずです。これらを一つずつ改善し,レベルアップを図っていきます。導入時に各課で格差があったのと同様に,維持管理の時点でも課によって差が出ています。そのため,実地指導の内容は課によって異なります。

時期としては,年度の前期と後期に1回ずつ実地指導を行います。前期の実地指導では,キャビネットの前年度文書の移替えや現年度文書の的確な業務プロセス式水平分類ができているかどうかの点検,後期の実地指導では,フォルダ内文書の整理や継続文書の解除を重点に行う指導など,時期に合った点検・指導を行います。

年2回の実地指導の場合,年1回に比べて時間的な余裕があり,その分,細かなところまで指導できるので,効果が高いと言えます。何よりも,職員に「まだファイリングをやるのですか」「またファイリングですか」と,これでもかこれでもかと意識させることこそが大切になります。

むろん,巡回実地指導は,導入時のコンサルタントに引き続き担当してもらうのがベストです。

2. 導入後6年目以降の指導

導入後6年目に入りますと,いずれの課でも一定レベルに達していますので,初歩的なことで指摘を受けることはなくなります。そのようになれば,職員の意識も高くなってきていますので,コンサルタントによる実地指導は年1回でも安心できる状況になってきます。

年1回の場合は,できれば後期に行う方が効果的でしょう。なぜなら,前期に比べ文書量が増えてくるので,文書の流れが確保されているか,「AKF」の方法や執務環境の整備がきちんと守られているかを見極めやすいからです。時期は,実地指導後に各課が修正する期間を考慮して,10月から12月ごろが適当でしょう。むろん,コンサルタントによる指導後,その後の確認作業など,文書主管課のフォローアップが必要です。

なお,コンサルタントの指導が年1回の場合,前期の巡回実地指導は,庁内に内部職員による文書管理推進委員会などを編成して行うとよいでしょう。

そして,導入後11年目以降は,2,3年に1度程度,コンサルタントにみてもらうのが望ましいと思います。

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