分類の考え方

Q1:文書の分類は,どのようにして作るのですか。

文書をサッと取り出し,事務効率を高めるために,文書を分類します。すなわち,分類の目的は,文書の即時検索です。この分類には,二つの方法があります。いわゆる,ワリツケ式とツミアゲ式という対照的な方法です。なお,ここでは階層分類を取り上げることとし,水平分類については稿を改めたいと思います。

1. ワリツケ式

ワリツケ式は,まず文書主管課が頭で職務分析などをしながら,大分け→中分け→小分けというように,上から下へ仕事を分類して行き,コード番号を付けたりして文書分類表を作ります。次に,この表によって各個別文書にも番号を付け,その番号を付けたファイルに収めるようにし,全庁的に規制していく方式です。極めて理論的な分類手法だと思われ,昔は大いにはやりました。今でも,この方法を続けている自治体もありますが,多くの自治体では形がい化してしまい長続きしておりません。その理由は,理論的ではあるが現実の文書を検索するためには,必ずしも実務的ではない,各課が分類実態に合わせて分類表の手直しをしてくれない,などがありました。

2. ツミアゲ式

そこで,お勧めしたいのがツミアゲ式分類方法です。ツミアゲ式は,各保管単位が現実にある文書を,担当職員が自らの目と手で,小分け→中分け→大分けというように,下から上へ文書を分類してフォルダに収め,ガイドを立ててまとめ上げて,保管単位別に規制していく方式です。現在,ファイリングシステムの導入に成功している自治体は,すべてこのツミアゲ式を採っています。

公文書管理法では,行政文書の管理に関するガイドラインで,分類の意義・方法について,第4 整理の留意事項に以下のように記載していますが,これはADMiCの考え方そのものであります。この考え方に沿って,行政文書管理ガイドラインは,ワリツケ式を採用せず,ツミアゲ式を推奨しています。

「行政文書を適切に分類することは、必要な文書を迅速に取り出し、事務効率を高めるために重要である。すなわち、検索の手段として行政文書を分類することは、職員の思考の整理と事務の整理に資する。適正な分類なくして、事務の効率化や情報の活用を図ることはできず、最適な意思決定は望めない。

このように、行政文書の分類は、事務執行管理の中心に位置付けられるものであり、全職員がこれらの意義を踏まえ、適切に分類に取り組む必要がある。このように行政文書の分類を適切に行うことは、国の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされることにも資する。」

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